2025年09月17日
今週のメイン業務は、12日(木)と13日(金)に開催した『社会人力養成講座』である。今から20年ほど前の2005年頃に、顧客先企業の経営者から「最近はモノゴトをしっかり考える人材が本当に減ったのではないか」と問われたことが発端で始めた講座と言ってもよいだろう。
そこで、いくつかの金融機関やコンサルティング会社などの研修担当責任者に、「考える講座」というものを実施しているか問い合わせてみた。すると、「考える」とは本来自分で生み出すものだから、そもそも「考える」研修とは、どのように教えればよいのか
―― と、逆質問を受けてしまった。
30代半ばにこれからは考動の時代だと考え、「考動」という当て字を生み出して講演などでも使っていただけに、それなら「考える講座」を自ら実施しようという流れになったのだ。開講までは2~3年かかったが、当初は手探りであったことは間違いない。コロナ禍の3年間は、企画はしたが無理に実施することはないとして中止したこともあって、今年は第13回目になる。
今回の受講者は6社から14名。受講者の受け入れ限度は12名~18名程度がベストなので、まずまずである。講師が一方的に話すという知識教育ではなく、受講者がその場で考えながら話すことが求められているため、適正な受講人数は少人数にならざるを得ない。今年は半数以上が東京以外からの参加で、沖縄、長野、京都、福島からも参加していただいた。
初日の第1講座は塩見の担当である。テーマは毎回、「考えるためのストレッチ」だ。普段考えていない人に対して、考えるためのストレッチングで頭の中を少し柔軟にしておいてもらいたいためである。
まずは2分間で自己紹介。“個人”の自己紹介という前提を与えているにもかかわらず、受講生の大半は勤務先の自社紹介になっていた。しっかり考えていない証拠である。
この自己紹介は、次の「他者紹介」につながっていく。全員の紹介が終わった後、今度は他者を2分で紹介してもらうのである。つまり、自己紹介の時に自分をいかにわかりやすく(たとえば、特徴的な言葉やその人ならではの話など)第三者に伝える話し方ができていたか。それと同時に、他者の自己紹介をいかにポイントを絞って聴いていたか。その結果が、他者紹介の場で判明する。
ほとんどの受講生は、自己紹介は2分を超えるが、他者紹介は1分も話すのが難しい。まぁ、こんなものである。いかに「自分自身とは何者か」を考えていないこと、そして「人の話を真剣に聞いていない」ことが証明され、自分で愕然とするのである。
最近は、講座の最初の1時間で自己・他者紹介を行って、いかに伝達する、傾聴することの難しさを知ってもらうとともに、常に「何のため」を意識しなくてはならないことを理解してもらうことを主眼としている。
残りの1時間は、毎回違うテーマを出して、考えることの「面白さと難しさ」を知ってもらいながら雑談を行っている。
今回の講座は、初日に「傾聴力」と「自分整理力」を学び、夜は場所を変えて受講者全員参加で懇親会を行った。2日目は「共創力」「観察力」「伝達力」をテーマとしたカリキュラムを構成した。最終日の3日目は、時間を明けて7月4日の午前中に「哲学カフェ」、午後には全員で行うプレゼンテーション大会が実施される。
開催までは大井川社労士と小林君には相当の時間を費やしていただいたので感謝しかない。