2025年07月
2025年07月24日
■第2週(1月6日(月)~1月12日(日))
6日が仕事始め。今年もダンパートナーズでは「一文字漢字発表会」から始まる。塩見の今年の一文字は「観」だ。
「観」とは、①対象をみる(観客や参観)、②念入りにみる(観衆や観測)、③本質を悟る(主観や直感)、④物の見方、考え方(人生観、楽観)のことである。仏教用語では、「物事を細心に分別して観察し、道理を悟ること」となっている。つまり、本質を知ることが「観」の最大の意味である。
今年は、物事の本質を読み取ることをテーマとしたのだが、逆に言えば、様々な出来事が周辺に起こる可能性があるのではないかということを予知しているのかもしれない。
今年も初日から忘れ物である。一文字漢字をまとめた今年の業務日報ではなく、昨年の業務日報を持参していた。そのため、「観」についていろいろと説明するつもりだったが、全く違う話になってしまった。
この日、トヨタ自動車の豊田会長は、静岡県裾野市で建設中の「Woven City(ウーブン・シティ)」に、今秋以降、関係者やそのファミリーら100人程度が住み始めると発表した。生活を通じて自動車運転や人工知能(AI)などの次世代技術を検証・進化させて製品化していくという大規模な実証都市の誕生である。日本発で世界を驚かせることができる、数少ない取り組みの一つだ。
7日(火)は、七日正月、七草がゆの日である。今年の我が家は大根一草だけの朝がゆだった。
早速この日から、横浜に出張する。午前から昼にかけてはランチを兼ねた経営者との打ち合わせ。設立される前から相談に乗っていた会社だけに、毎年一歩ずつ前進されているのを聞くことが嬉しい。
午後からは横浜駅近くのカフェでバレエ団の代表ら数人との打ち合わせ。夕方からは友人の弁護士の顧客訪問、夜はその弁護士と横浜駅前の寿司店での食事会となった。
8日(水)は、顧客企業の経営者との株価対策を主としたZoom会議や、出版社編集長と出版本の改訂版原稿の打ち合わせなど、一日中話していた気がする。
9日(木)は、恒例のダンコンサルティング主催の『初釜 兼 京風白味噌雑煮の会』である。今年も数十人のお客様など、多くの参加者に来社いただいた。コロナ禍では中止していたこともあり、初参加の経営者からは、「粋なイベントを継続されていますね」と感謝される。
考えてみれば、初釜を始めてからもう20年以上になるだろうか。2019年に亡くなったお客様であり友人でもあった建築家のエドワード鈴木氏にオフィス改装を依頼した際、茶室の設計もお願いして以来の恒例行事になっている。
茶室は、日常は畳部屋の応接間だが、年に一度だけ茶室に変わる。夜から翌日にかけても参加者からお礼のメールが続々と届いた。まさにダンパートナーズのテーマである「愉しもう」の実践と言っても過言ではないだろう。
土曜日には、青山にビルを建て、その中に能楽堂も設けた古くからの友人に誘われて、静御前と義経をテーマにしたオペラのレクチャーコンサートに出向く。「能楽堂でオペラ」であるが、メインはバレエ団の代表者などをオーナーに紹介するためでもある。起業されて一部上場企業にまで成長させた友人は、自利利他の精神で様々なボランティア活動もされている。大したものである。
2025年07月16日
■第1週(1月1日(水)~1月5日(日))
昨年暮れに『おせち』という絵本を頼まれて購入してきた。写真かと見間違えるほどの精密な絵に秀逸なコメントがついている。
くろまめ ぴかぴか あまいまめ まめまめしく くらせますように
たけのこ くわい めがでて のびる すくすく そだって おおきくなぁれ
お節料理の神髄を、幼児にもわかることばとリズムで伝えられている。我が家のお節料理も毎年手作りで、重箱は必ず寒い玄関か勝手口で正月を待っていた。全く絵本と瓜二つのお節料理が今年も完成していた。
年賀状も同様である。11月末までには年賀はがきを購入し、12月前半には宛名と住所を書いて、すべてを一旦確認してからそれぞれの名前を見ながらコメントを書き添えることを続けてきた。
日本郵便によると、今年の年賀状(年賀郵便数)は約4億9,052万枚で、昨年の34%減だと発表されていた。2011年は20億枚超、22年には10億枚超であったとのことで、僅か3年で半減である。
昨年の郵便料金の大幅値上げと高齢化による「年賀状じまい」が影響しているのだろう。
我が家も毎年200枚以上の年賀状を出していたが、昨年は170枚、今年は140枚まで減少している。それでも、毎年いただく年賀状で友人や知人の近況を知ることは、正月の楽しみの一つと言えるだろう。仕事場でも、かつては1,000枚を超えていたのが、最近は数百枚程度になっているらしい。
毎年1月1日は、自宅からゆっくり歩いて20分のM神社に参拝する。45年前に引っ越してきてからの氏神様である。子供たちの七五三を始め、ほとんどこの氏神様をお参りしてきた。
それほど深い信仰心があるわけではないが、神様と仏様はそれなりに大切にしている。「神は細部に宿り、仏は深部に宿る」を結構意識した人生を歩んできた気がする。
今年も参道から大通りにかけて長い行列が延びていた。二礼二拍手一礼ができるまでに、並び始めてからだいたい90分かかる。少なくとも、このような行列ができるようになったのは最近のことだ。10年くらい前なら20分程の行列だったので、愛犬を連れて一緒に並んでいた。
最近は、行列のためか神社の参道に山鉾が登場し、様々な出し物が正月らしさを醸し出している。
夕方からは7人の子供たちと6人の孫たちが自宅に集まり、全員参加のビンゴゲーム大会が行われる。昨年は孫たちが上位を占めたが、今年は大人軍が優勢であった。これもまた我が家の恒例行事になっている。
今年の仕事始めは6日の月曜日だが、原稿や資料整理があるので、3日の金曜日に出社する。1日でも準備する時間を確保しておくとスタートがスムーズにいくため、毎年同じ行動を50年近くしている。
1月4日は楕円形の地球が最も太陽に近づく日らしい。近づくと言っても、最も遠い時との違いは僅か3%とのこと。少しでも近づくなら、暑くなるのかと思っていたが、結構寒い一日であった。
2025年07月08日
2025年は令和7年であるが、おそらく昭和100年と言われる方が多くなるだろう。現在の日本を構築してきた昭和という時代が100年という一つの区切りを迎える年になるからだ。
さらに、戦後80年にもあたる。戦争のない時代が80年続いてきたということである。昨年後半からは1995年の話題も多くなってきた。テレビドラマにも「1995年」というタイトルが誕生している。95年現象の時代から30年目に当たるのが2025年だからだろう。
1995年は「95年現象」というテーマで、97年頃から幾つかの連載原稿を執筆してきた。30年を経過することでようやく日本社会が気付きだしたのかもしれない。
95年はリスクマネジメント元年、ボランティア元年、インターネット元年、人口減少元年(生産年齢人口のピークアウト)など、〇〇元年とも呼ばれている。95年に起こった様々な事件や大災害、あるいは、政治、経済、金融、環境、スポーツ、技術などの出来事がその後の30年に大きな影響を及ぼしているため、元年と呼ばれているのだ。
ちなみに、1925年を昭和元年として数えると100年目になるのだが、昭和元年は12月26日~31日までの6日間しかない。つまり、100年前の1925年は12月25日までは大正であって、大正
天皇が崩御されたことで昭和天皇になったのが翌日の12月26日からなのだ。簡単に言うと、1週間だけが昭和元年だったのである。
この「昭和」という元号は、「百姓昭明(ひゃくしょうしょうめい)、協和万邦(きょうわばんぽう)」から採用されているが、本来予定されていたのは「光文」だったらしい。ところが、当時の東京日日新聞がスクープで号外を出したので、二番手候補だった「昭和」が採用されている。元号なんてこんなものなのだ。
1925年は、1月1日に山手線の環状運転が開始されている。つまり、山手線が一周になった年だ。また、NHKでラジオ放送も開始している。NHKが百年目と騒いでいる理由でもある。
3月2日に男子だけの普通選挙法が成立したり、9月20日には東京六大学リーグ戦が開始されている。したがって、これらも全て今年が百年ということになる(全て昭和元年ではなく大正14年だが)。
よく考えると、満25歳以上の男性だけに選挙権を認めたのを「普通選挙法」交付だと言っていることを、当時はおかしいと思う日本人はいなかったのだろうか。
普通選挙は、それまでの一定の納税額を支払っている者だけが選挙権を持つ「制限選挙」に対するものである。女性に認めていないならば男性普通選挙のはずである。
したがって、実際に女性も選挙権を得た1945年が本来の「普通選挙法」となるはずだ。つまり、男性普通選挙法成立百年目だが、普通選挙法成立からは今年は80年目ということになる。戦後80年は民主主義成立80年とも言えるだろう。
『塩見流 仕事術10』をこの「2025年の週刊業務日報」に決めたのは、やはり昭和100年、戦後80年、95年現象から30年という一つの時代の節目の年に、世の中ではどのような社会現象が生じるのか、どんな生き方で仕事に立ち向かっているのか。どんな日常になるのか、どんな結果が生まれようとしているのか、などについて、自分自身が興味を持ったからである。
さらにダンパートナーズを創設して2026年は50年目となる。26歳で仕事を始めて半世紀が経過するのだ。これは自分でも驚く以外にない。
また、今でも現役で野球や自転車というアウトドアスポーツを継続できている。日本野球連盟の古希野球大会では75歳以上のG古希東京選抜メンバーにも選出され、関東大会などで一番
中堅手としてレギュラー出場させていただいている。今年もこうした趣味の分野でもどのくらい動けるのだろうかと自分自身が興味を持っている。
そこで、2025年バージョンの『塩見流 仕事術』を週刊業務日報にまとめることとした。東京に上京して50年を経過した2022年バージョン(『塩見流 仕事術7』)に次いで2回目になる。今回もまずはダンのホームページに3ヶ月遅れくらいで発表していくこととする。気軽に読んでいただき、感想などを頂けると幸いである。
2025年(令和7年)1月1日
塩見 哲