2022年09月

2022年09月30日

(てっ)ちゃんの週刊業務日誌

◆第38週(9月19(月)~9月25(日)

 

社会的には台風、為替、英国葬の一週間となる。
 919日は敬老の日。本来は15日だったが、現在は第3月曜日に変わっている。
 今年の9月15日における65歳以上人口は3,627万人。日本人の30%程度は65歳以上で、毎年過去最高を更新し続けている。75歳以上も1,937万人(15%)と過去最高。今年も当分の間は毎年高齢化率(204030%)も高齢者数も増え続けていく。100歳以上が9万人を突破したが、同時に、90歳以上も265万人(2.1%)、80歳以上も1,235万人(9.9%)となっている。今年中に80歳以上は総人口の10%をはるかに上回るだろう。医療介護の体制充実など、社会福祉コストが膨らんでいく。
 ちなみに、高齢者社会とは女性高齢者社会のことで、65歳以上に占める女性は2,053万人(57)、男性は1,574万人(43)、百寿者ではこの割合は8911にまで広がっていく。
 19日の夜はNHK BS「英国 エリザベスⅡ世女王国葬」のライブ中継を見る。ロンドンのウェストミンスター寺院で営まれ、国葬後は郊外のウィンザー城に埋葬された。イギリスという国の有り様が満載であった。ヴィクトリア女王の孫の孫がエリザベスⅡ世になるらしいが、ヴィクトリア女王というと、イギリスで1846年法、1854年法(つまり、株式会社法の原型が誕生した時の女王である。エリザベスⅠ世は1558年即位)。
 エリザベスⅡ世は96歳、在位70年。亡くなるまで楽しく働いておられたとのことで、驚きを感じながら2時間半ほどテレビに入り込んだ。特に、バグパイプ奏者の最後の演奏は、厳かさと共に胸を打つ音色で、芸術作品を鑑賞していた気がした。
 台風14号が九州に上陸して日本列島を縦断したため、23日の秋分の日まで天候不順。21日(水)から久し振りに自宅で靴下を履きだし、22日は掛け蒲団を夏用から秋用に変えるなど、体温調整が難しい一週間となる。
 20日(火)は月例ランチミーティング。京都老舗体感ゼミナール®の現状報告、夕方には日本で唯一の株式会社立小学校の学園長が来社。文化村、芸術村構想のある学園長と北軽井沢エリアの情報などについて打ち合わせる。
 22日(木)の午後は、定期的に開催している顧客企業の新規ビジネスの研修会。今回は2時間ほど実例をベースにして顧客側に立った考え方について解説する。
 22日は日銀が24年振りにドルを売って円を買うという為替介入を実施した。ただ、原資は米ドルなので、あまり効果はなさそうである。逆に、日本政府は145円程度までは妥当だと考えていることが読み取れる。
 金利を上げられない理由は、景気、物価、財政(国債金利)という障壁が大きいのだろう。一時的に円高に振れても円安傾向は変わらないと考えておくべきだろう。
 今週は祭日も多く、天候も不順で変な一週間だった気がする。

 

お別れの奏 バグパイプ 秋気満つ


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(10:47)

2022年09月21日

◆第37週(9月12(月)~9月18(日)

 

13日(火)から16日(金)まで出張。12日(月)は還暦野球の練習後、「会社物語」の最後の全体監修や校正、編集などを行ったり、顧客企業のコンサルティングレポートを執筆。
 13日夜に名古屋入りして翌日の講演用資料をまとめている時に、ヤクルト村上選手の55号ホームランのニュースを見る。王選手に並ぶ日本人最高タイだが、日本記録は60本である。また残り試合もあるので、マスコミが煩くなければ6本ぐらいは打ちそうだ。
 翌日は東海道線で岐阜まで乗車し、岐阜駅からタクシーで講演会場の岐阜グランドホテルに向かう。会場は長良川にかかる長良橋の近くだが、この長良橋の袂では1300年以上も続いている有名な長良川の鵜飼いが行われている。実は、岐阜市では9年前の6月に今回とは違う団体から講演依頼を受けており、その時に宿泊したのが長良橋近くの老舗旅館「十八楼」である。この十八楼には芭蕉も宿泊しており、その際に投句した作品が年間優秀賞に選ばれた。翌年に複数の岐阜名物が送られてきた思い出のある地だ。古典絵巻を見るような闇の中に、かがり火に照らされた鵜匠が鵜を操って魚を狩っている様を写実にした句である。

       ほうほうと 篝火六連 夏来る

長良川の反対側にある金華山頂上の岐阜城が見える会場で、午後120分から350分までの150分に渡る講演を終え、再び岐阜駅に戻る。
 岐阜市内は様々な場所にレンタサイクルの受付所があり、9年前は1300円の自転車を借りて、長良川や金華山周辺を走り、岐阜駅で返却したことを思い出した。今回は時間がないので送迎バスに乗り込み、名古屋からは久しぶりのひかり号で京都入り。
 15日(木)は午前中から京都老舗体感ゼミナール®の訪問先企業へ最後の打ち合わせで巡回する。午前はサポートしてくれている地元のH診断士に車を出してもらい、長岡京の京料理K亭で女将と詳細な打ち合わせ、どこにバスが停まるか、参加者をどう迎えるか、講義場所と食事場所はどうするか、食事卓をどう配置するか、時間調整が生じた場合の対応策、さらには食事時間(配膳のタイミング)など、あらゆることを想定して対処してもらうことを依頼する。
 今回は、特にコロナ禍という事情もあり、盤石の準備が必要と考えている。その後、同じ長岡京にあるメーカーまでの時間と京都駅までの時間をチェックしてH氏と別れ、一人でO商店、S旅館、レストランKの各女将や経営者と打ち合わせる。いずれもコロナ禍における対応法と講演内容、さらには、S旅館では部屋割りからお茶会のコロナ禍での手法、さらには、夜のオプションなどについても詳細な打ち合わせを行った。
 こうしたイベントの成功確率は全て準備にかかっている。徹底した細部に至るリスクを考えた準備がその後の成否を決めることは過去の例からも理解しているつもりだ。準備にはきりがないのだ。
 16日(金)は顧客先企業を訪問。新しいビジネスモデルを構築中だけに、歴史を振り返りながら自社の存在価値の再確認作業を行うこととする。
 京都駅に戻る車中で背広の上着を忘れてきたことに気付く。新幹線の時間もあるので10月の訪問時に回収することをメールで連絡しておいた。最近、少し忘れ物や落とし物が少なくなってきたと思っていたら、またもや得意技を披露してしまった。
 久し振りに我が家に戻ったが、17日(土)は朝からソフトボールの親善試合である。

 

出会いとは 必然なりし 秋夕焼


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(17:39)

◆第36週(9月5日(月)~9月11(日)

 

東京五輪・パラリンピックの大きな後遺症となっている汚職・賄賂事件に、出版社のKADOKAWAも加わったという報道がされていた。KADOKAWAからは、3ヶ月に一度、数千円の印税が振り込まれている。10年前に『小さな会社の資金調達の方法』を発行した中経出版が、その後、KADOKAWAに買収されたことによる電子出版としての印税である。KADOKAWAは出版社の範疇にとどまらず、エンターテイメント企業として東証プライムの上場会社でもあるだけに、今後の対応法を間違えると株価下落だけでなく株主代表訴訟などの可能性も出てくるのではないか。それにしても、7,600万円の賄賂という報道には驚かされる。
 今週は、定期的な相談に乗っている顧問先企業を数社訪問。それぞれの企業の相談内容は全く異なっているが、いずれも経営者や経営幹部の方々との打ち合わせである。なかには新型コロナウイルス感染症対策として無利子、無保証人、当面返済無しという国の政策による資金を調達していた企業もあるが、1012月頃から返済が始まり出すため、当面のキャッシュフローを意識せざるを得ない企業もある。
 さらに、円相場が一気に145円に近付いてきた。短期的には日米の金利差による影響は大きいが、実態は日米の経済力格差が明確になりだしてきたからと考えるべきだろう。特に長期的に見れば、米国の人口は2050年には4億人、2100年には5億台半ばと言われているが、日本は2050年には9,000万人前後、2100年には移民を受け入れなければ5,000万人に近づいていく。学生時代に日米の人口比は1:2だったが、2050年は1:4、2100年は1:5になるのだ。国土面積の1:25は変わらないが、GDPの大半を占める個人消費(どの国も6070%)は人口によって大きな影響を受けることを理解しておく必要がある。ただ米国は、2050年には白人人口が50%を切り、白人社会が崩壊してまさに多民族国家になる。コロナ援助が無くなり、返済が始まり、円安が続くとなると、日本中の収益不足の中堅・中小企業の倒産・破産・清算・整理が増えてくることも考えておかなければならないだろう。
 8日(木)は来客ラッシュ。1組目は2年前から不動産相続の相談に乗っている複数ビルを所有されている不動産オーナーで、後継者の問題もあり、全てのビルを売却されることとなった。そのため、その後の資金運用や買換え資産対策、さらには、人生百年時代における考え方などの相談にのる。
 2組目は、北軽の企業経営者と都内のリフォームデザイナー。先日訪問した森資源の活性化に関する今後のビジネスの組み立て方についての相談である。簡単に言うと、ビジネスモデルを構築することだ。ビジネスモデルとは「継続して顧客に満足を、企業に利益を」提供するための設計図のことだが、これが意外に難しいのだ。「誰に」「何を」「どのように」を決めるまでには時間がかかりそうである。
 4組目は顧客企業の経営者とその企業をサポートしている企業経営者ら4人が来社。その後、近くの洋風居酒屋に場所を移して時代の捉え方や経営の在り方などに関する相談を持ち掛けられる。久しぶりに軽い飲み会となった。
 9日(金)も顧客先から夕方にオフィスに戻り、来社された2人の経営者と小さなカウンター割烹店での食事会。11月に講演会の講師を依頼されているためその打ち合わせの予定だったが、今後の社会人力養成講座(考える講座)についてのディスカッションとなる。お二人とも経営者としての姿勢が素晴らしい人たちで、かつ、問題意識が高いため、ディスカッションそのものが楽しいことが嬉しい。
 9月10日(土)の夜は、少し早い中秋の名月。甘味処で団子を買うと、ススキの束がサービスされてきたこともあり、久しぶりに月を見ながら夜食となる。幸いに東京は全く遮るもののない夜空に、十六夜の月が室内にまで入り込んでくる。十五夜満月より少し欠けているが、穏やかな夜である。

 

名月や 天にも地にも 一礼す


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(17:31)

2022年09月08日

◆第35週(8月29(月)~9月4日(日)

 

今週は出張週間。前半は京都、後半は北軽井沢である。
 京都は定期的なお客様企業への訪問と京都老舗体感ゼミナール®開催にあたっての訪問先企業との打ち合わせだ。
 今年の老舗ゼミは、1泊2日で7社の訪問日程を組んでいる。毎回、訪問前までには1社平均3回は老舗代表者ら幹部とミーティングの場を持つことを決めている。ゼミの参加者に期待されている以上の価値を提供したいからだ。
 今回は、宿泊予定の京都三大老舗旅館S屋、油取り紙で有名なY社、京都の女性で知らない人はいないと言われるA病院などを訪問。特にS屋の女将とは、コロナ禍におけるお茶体験と部屋割りの工夫、Y社のK社長とは具体的な講座の進め方と会場セッティング、A病院のH理事長とは映像などの活用や講座会場、さらには、併設保育園の見学などについて各々2時間ほど打ち合わせを行った。いずれも、参加者が感激、驚嘆されるような物語を話していただけそうである。
 今回はコロナ禍ということもあり、会場設営にはそれなりの苦労がある。よく言われるように、準備ができたものにしかチャンスの機会は与えられないと考えているため、考え尽くすまで徹底する以外にない、ということだ。
 30日に、京都新聞で京セラの稲盛名誉会長が24日に亡くなられていたという報に接する。『天職は出会うものではない。自ら作り出すものだ』とか、『強烈な目的意識を持った人にしかチャンスは訪れない』などという小気味のいい真実を話されていた。老舗ゼミは京都が生んだ石田梅岩の心学をベースに事業を始めた多くの老舗企業を訪問してその神髄を身体で理解してほしいと考えて10数年前から始めた研究会である。稲盛氏も梅岩の流れをしっかり汲み取っておられた代表格だけに残念である。
 今週は9月へとカレンダーが変わる。京都から戻って1日(木)~2日(金)は北軽井沢へ出張。地元では何代か続く老舗企業とのことで、地域の活性化にも力を入れておられる。特に、森の中に230棟も点在している別荘のメンテナンスなどの一切を請け負う事業分野があり、高齢オーナー所有の別荘の再活用による町おこしも考えられている。今回は、管理されている全ての森を巡回し、さらに、数棟の別荘の現状を視察した。また、北軽井沢エリアの金融機関の撤退による建物の再活用を地主から依頼されているとのこと。支店長らと面談し、50年後の北軽井沢のイメージ作りからどんな町にしていきたいのかなどを町全体に呼び掛けていくことの重要性や方法論について説明する。北軽井沢エリアは、魅力のある地域になるのではないかと考えている。これから日本に必要な有形・無形の資産が眠っている気がするからだ。そのテーマの主題は「 ? 」になるのではないだろうか。2日間、車で動き回っているとさすがに疲れた気がする。

果てしなきこの道 秋蝶の行くえ



(13:18)

2022年09月06日

◆第34週(8月22(月)~8月28(日)

 

我家の裏手は団地の中の歩道のある整備された一車線道路で、左右にはサルスベリと日光ヒバが1:3の割合で植栽されている。日陰も多く、一般車が走るわけでもなく、愛犬との絶好の散歩道でもある。
 サルスベリはミソハギ科の百日紅(ひゃくじつこう)と書く。紅の花が2~3ヶ月咲き続けるという意味から付けられたらしい。ただ、サルスベリには白い花の木もあり、植栽されているサルスベリも、紅と白が相互に枝も折れんばかりに咲き誇っている。我が家の2階の窓には手も届かんばかりに大量の白い花が顔を見せ、ピンクの花は隣家の窓を叩いている。暑い夏の象徴とも言われているが、日光ヒバともども木陰を作ってくれているのが有難い。
 最近は小さな庭に薄紫の清楚な朝顔が6輪ほど花を咲かせ、グリーンカーテンのゴーヤの花も黄色を主張しだしている。植物からはなんとなく夏の終わりを感じさせてくれるが、樹木からは耳をつんざく蝉時雨。今週もまだまだ真夏は続いている。
 23日(火)、24日(水)は信州への出張予定だったが、出張先のお客様企業の幹部らが新型コロナウイルスの陽性者となって隔離されたということで、当面延期することとなる。そのため、打ち合わせを行う予定だった項目や、今後検討しておくべき経営上のポイントなどを列挙し、考えた方を含めてコンサルティングレポートとしてまとめておくこととした。2日間で8時間ほどかけて執筆する。調べながら書くとどうしても時間を要するのだ。
 また空いた時間で、9月に依頼されている岐阜での講演テキストをまとめたり、最終コーナーに入っている会社物語の校閲などを行う。
 22日の月曜に、夏の高校野球 甲子園大会の決勝が行われ、優勝旗が初めて白河の関を越えて仙台に辿り着く。104年目に仙台育英が悲願を達成したのだ。須江監督の優勝インタビューも見事なものだったと話していたら、仙台の団体からメールで講演依頼(11月)の連絡が来る。不思議なものだ。
 25日(木)、26日(金)は、顧客企業から依頼されている新事業分野進出のための定期研修会や金融機関との資金戦略に関する交渉で出掛ける。また26日に来社された経営者とは、新製品の販売先と販売方法についてサゼッションする。全く新しい分野だけに、B2Bで行くのか、B2Cで行くのかは、今後の展開にとっては重要なキーとなるからだ。
 今週は日本の服飾文化を世界に発信され続けてこられたハナエ・モリとイッセイ・ミヤケが相次いで亡くなったことを知る。お二人とも1970年代に「流行より不易」という生活圏文化を定着させた偉人だ。ちなみに、塩見の仕事用のバッグやカッターシャツなどは、TAKEO KIKUCHIが多くを占めている。


よく見れば 腹式呼吸 あぶらぜみ



(11:23)