2022年07月

2022年07月26日

◆第29週(7月18(月)~7月24(日)

 

世界陸上が米・オレゴンで始まっている。17日、男子100mでサニーブラウンが世界大会では90年ぶりにファイナリストに入った。1932年のロス五輪の「暁の超特急」と言われた吉岡隆徳選手以来である。決勝では7位だったが、世界7位である。ブレッド・カーリーが9秒86で優勝したが、短距離走で日本人に世界レベルの選手が誕生したのだ。
 直近の塩見の公式記録は、足を故障する前に市民シニア陸上大会で優勝した69歳時の1487である。カーリーより5秒も遅く、ゴールした時はまだ70m辺りを走っていることになる。短距離は遅筋より速筋が重要だが、サニーブランは次の五輪では速筋をどこまで成長させてくれるのか期待している。
 16日は2年振りに京都 祇園祭の宵山があった。BSで生中継をやっていたので久し振りに鐘や太鼓の音を楽しんだ。
 今週は祭日(海の日)から始まる。還暦野球はリーグ戦や練習試合がコロナウイルスの影響で9月まで中止が決定してしまった。様々なチームで多くのコロナ患者が誕生しているらしい。ただ、土曜のソフトボールの練習には軽く参加中。
 19日(火)は自社の決算業績報告書の執筆や、中小企業大学校から送られてきた講演時の動画チェックなどを行う。20日(水)は月例幹部ランチミーティングと自社の第36期株主総会を開催。22日(金)は来客との接客が続くなど、今週は珍しくオフィスに居る時間帯が長かった。
 21日(木)だけは、午前中は金融機関交渉、午後からは新しい講演依頼の打ち合わせや顧客への定例の研修会講義などで、直行直帰となる。
 22日(金)の来客の一人は11月のライブセミナーの主催者で、『老舗経営学』と『老舗物語』の2冊をテーマとした研修を依頼されている。経営だけでなく、人の生き方や考え方が『老舗経営学』などには数多く掲載されているため、その本質を語ってもらいたいということだ。ライブセミナーではあるが、ネットでも同時に配信されるハイブリッド型セミナーを考えておられるらしい。
 主催者の社長自身が外資系の大手企業で優れた営業マンだったが、30代で大病をされ、人生観が大きく変わられたと話されていた。今は二度目の人生を生きているため、人間の本質を追求しながら思いを共有できる多くの仲間らに呼び掛けている緩やかな会員制の講座を開催されているとのこと。
 考え方や生き方が非常に似ている社長なので、会話をしているだけで充実した愉しい時間となる。「あの人に会いたいと思われる人間になりたい」と言っていた友人が居たが、この社長はおそらくそういう人になっておられるのではないだろうか。最近は、人間の本質論を語る方々との出会いが多くなってきたことに感謝している日々である。

香り立つ 目覚めの一杯 夏立ちぬ




(10:27)

2022年07月20日

13日(水)に東京地裁が東京電力の旧経営陣に対して13兆円の損害賠償を命じる判決を下した。裁判長は、「原子力事業者の取締役として求められる安全意識や責任感が根本的に欠如していた」と強い口調で批判したという。
 おそらく、原子力村で食を得てきた日本人以外のほとんどの日本人はそうあるべきと思っていたことを判決にしたのではないか。
 「事故なら国が崩壊」とまで言い切った背景に、原発の特殊性をどこまで本気で考えて経営していたかということを問い正したのだろう。
 リスクマネジメント時代においてはリスクをどこまで高く広く考えられるかどうかが経営者の資質のはずだが、これを「想定外」で片づけている。
 「想定外」とは、「想定できませんでした」と自分で無能さを解説しているに過ぎないのだ。電力会社に限らず、全ての経営者は自分の仕事に誇りと責任をもって全てが想定内の仕事にすることが会社継続の最大のポイントになるのではないか。

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(15:04)

◆第28週(7月10(月)~7月17(日)

 

参議院選挙の投票率は選挙区で52%。戦後4番目の低さらしい。戦後と言っても既に77年経過しているうえ、直近15年くらいの投票率が全て50%台ということは、日本は民主主義の機能力が50%程度ということを物語っている。
 民主主義に参加するために選挙があり、自分が立候補するか、自分の思いに近い候補者に投票するかが第一歩である。なぜならば、自分の意見をキチンと話すことと同時に、自分と違う意見にも耳を傾けて議論することが民主主義の前提だからだ。そのために言論がある。言論(対話)の自由は民主主義の最前線にあるのだが、暴力で言論が封じられる社会に民主主義はない。
 選挙結果と銃撃事件から見えることは、民主主義の前提に、「民主主義こそが活き活きと自由な社会を生き続けられる基本であると考える国民が多数存在していなければならない」ということだ。中学校の社会科の先生が「民主主義の方法の一つに多数決の原則があるが、これは少数意見を大切にした多数決であるということだ。少数意見をどのように取り込むかについて悩んで悩んで決断するのが本来の多数決の原則のため、大きな欠陥を抱えている。多数決の原則以上の方法を考えたらノーベル賞物だ。」と言われたことをいまだに覚えている。
 社会を分断するような政治姿勢は非民主主義だが、日本の政治体制はドンドン身内中心主義になりだしている。そのためには、モノゴトの本質をしっかり考えることのできる人材を生み出さないと単なる衆愚(しゅうぐ)政治になってしまう。今後は具体的な背景から本質的な一面があぶりだされてくることだろう。
 12日(火)は竹橋のホテルで丸一日、不動産相続の講演を行い、個別相談会では参加者の相談にのる。考えてみれば、7月12日は14年前に85歳で亡くなった母親の誕生日。生誕99年目になる。
 14日(木)は来客が続いたが、その間に中小企業大学校瀬戸校の佐々木校長ら3人とZoom会議。11月に経営トップセミナーを開催するため、その一日講師の依頼を受け、研修内容についてディスカッションすることになった。メーカーの多い地域だが、これからの企業経営の考え方についてのサゼッションと企業継続のヒントをマクロとミクロの両面から6時間ほどの講義をしてほしいという依頼である。未来観と歴史観を視点に具体性を取り込むことにした。
 11日(月)、13日(水)は顧客とのZoom会議や講義テキストの作成、15日(金)は顧客企業社長と新規サービスを新規顧客へ認知させるための戦略などを打ち合わせて、継続中の「会社物語」の原稿を作成する。雨の多い一週間であった。

虎が雨 アンパンマンの優しさよ



(14:55)

2022年07月15日

7月4日の月曜日から熱海に入った理由は4つある。
 1つは台風接近(長崎上陸)による交通機関ストップのリスクマネジメント。2つ目は原稿執筆、3つ目は温泉入浴、4つ目は海を見たかった、という思いである。最大の理由は1と4のような気がするが、会員制ホテルの全室がオーシャンビューのため、生き返ったような思いをしたのは確かである。
 翌朝5時頃からカーテンを開放して、曇天の空と広々とした海、水平線が茜色に染まってくるのをしばらくぼんやりと眺めていた。初島だけでなく大島までが近くに見える。
 翌日は沼津で講演。東海道線熱海駅の車内で、もう一人の講師である知人と再会したのは驚いた。東京でもほとんど会わないのに熱海駅の車中で談笑する。
 少し早かったので三島駅で下車し、次発の時刻を調べ、1時間で小雨の中の三島大社を参拝することとした。濃緑で覆われる森の中に豪壮で荘厳な佇まいの本殿を拝み、御朱印帳をいただく。
 急いで駅まで戻る。帰路は水辺沿いを歩く、富士山の伏流水のためか、流れている水の全てが澄み切っている。さすがに水の町と言われるだけのことはある。
 沼津駅で会場に行くのに手間取ったが、地元のコンベンションセンターの2階もある大ホールで、「リスクマネジメントの時代における地方の不動産会社の在り方」をテーマとした講演を行う。
 リスクマネジメントとは、未来のリスクをできるだけ広く捉えてそのための対策ができれば、リスクでなくなり、対策ができないうちはやらない勇気が必要だということだ。今朝上陸した台風4号は熱帯性低気圧になったが、風雨は強いまま東上しているらしい。
 帰路は三島駅まで戻り、こだま号に乗車。満席近かったのには驚く。考えてみれば、5月頃から毎週火曜日は出張や講演を繰り返しているようだ。
 6日(水)は来客が続くためオフィスに居たが、7,8日は東京都内の企業に出向く。特に金曜日は、午前中は神宮前、午後は西新宿といずれも経営者や幹部スタッフとのミーティング、5時過ぎに西新宿の会社で社長から安部元首相が演説中に撃たれたことを聞く。この時点では病院に運ばれたことまでしかわからなかったが、帰宅してから亡くなったことを知った。参議院選挙期間中の応援演説中という特殊なケースだけに、選挙結果にも大きな影響を与えることだろう。事情は不明だが、民主主義にとっての大きな打撃でもあると言える。ただ、日本が本当の民主主義社会かどうかについては考える余地がある。狙撃した人物はどのようにリスクマネジメントを考えていたのだろうか。

短夜や 煩悩の数 また増えし



(18:32)

2022年07月07日

◆第26週(6月27(月)~7月3日(日)

 

6月最終日曜日は、競馬の世界では前半戦の締めくくりとして宝塚記念が開催される。今年も6月26日(日)に第63回大会があり、昨年の有馬記念で5着に沈んだタイトルホルダーが見事に雪辱を果たした。
 今年に入って日経賞、天皇賞(春)を連覇しているが、三歳春からマークしていた牡馬である。20代前半は、府中、中山の競馬場や浅草の場外馬券場の常連だったが、最近は宝塚記念と有馬記念だけに挑戦している。
 快心のレースだったのは、読み通りの競馬となったからだ。パンサラッサが逃げ、タイトルホルダーが二番手を追送、早めにかわしてディープポンドとデアリングタクトは届かずという読みが的中した。ヒシイグアスと武豊のアリーヴォの二着予想もしていたのでタイトルホルダーから流していたが、結局、ヒシイグアスが2着に流れ込んできた。それにしても、18頭の中で予想していた6頭が1,2,3,4,7着に入賞した快心の予想だった。
 今週はこの流れで心躍らせながら27日(月)から信州に出張する。今回は株主総会が午後4時から開催される。株主15人が出席され、今年の業績と来期の計画などを社長、専務、統括マネージャー、工場長ら取締役が発表。塩見は監査役のため、監査報告を行い、配当決議などで終了する。毎年ここから3040分の簡単な経営懇話を行うのが恒例になっている。コロナ禍で2年間はリモート会議だったこともあり、株主(ほとんどが取引先の経営者)の方々からも楽しみにされていると聞いていたこともあり、現在の社会、経営状況をより具体的に説明し、さらに、今後の展開法についてB2BとB4Cの取引形態をどう活かせばよいかなどについて、事例を挙げて説明した。
 この1週間、東京は全て35度以上の猛暑日(9日連続)となった。通勤の私鉄もJR各線も小さな事故や事件が頻繁に発生し、時間待ちが相当多かった気がする。「暑熱順化」と言われるように、梅雨から初夏にかけては暑さに身体が慣れていくように気候の変化があるのが日本の特徴だが、一気に真夏となったため、アチコチで悲鳴が上がっているのだろう。日本は亜熱帯地域に入ってしまっているのだ。亜熱帯地域の暮らし方がこれから重要になってくるだろう。
 そういえば、先週から参議院選挙が始まっている。「良識の府」と呼ばれる参議院は今や盲腸の存在だ。20年ほど前に参議院と衆議院の意見が異なっていた頃が懐かしい。同じ類の人種を選ぶなら、各職種(作家、音楽家、学者などのプロなど)からその分野で秀でた人を選んで、衆議院での決議に対して自由な討論をさせて賛否を問えばよいと考えている。誰も2050年の日本の姿を語れない。未来を考えるために政治家は存在しているのではないか。

夏競馬 名前通りの 王者生む



(16:39)