2022年04月
2022年04月26日
◆第16週(4月18日(月)~4月24日(日))
今週のスタートは新緑の嵯峨嵐山。平日でも朝からそれなりの人出だ。2日間は京都で2社の定期訪問と1社の「会社物語」の打ち合わせ。
「会社物語」は、大阪のベンチャー企業からの依頼である。代表者の変更に伴い、歴史を振り返り、未来を社会に見せることで新しい自画像を創出しようとされている。新社長の考え方が時代に合っているだけに愉しみな企業でもある。
個人の自己紹介は、「現在、過去、未来」の流れが重要だ。渡辺真知子である。「現在の自分を語り、なぜ現在に至ったかを語り、これからの自分を語る」という流れが最も理解されやすい。これは会社も同じだ。現状とその歴史、未来の自社という流れである。この3つを端的に語れるのが経営者と言えるだろう。
2社は飲食業と製造卸業だが、飲食業はようやく客足が少し戻って来たが、輸入取引の製造卸業は円安対応に苦慮されている。為替は、企業がどうともできるものではないため、従来から提案しているのは、輸入するなら輸出もビジネスモデルに取り込むこと、金融資産を円だけでなく外貨とのバランスも採ること、の2点だ。今期の為替予約は125円で設定し、売値を検討することとされている。
円安傾向はしばらく止まらない。理由は幾つもあるが、最も大きいのは財政である。特にGDPに対する借金総額の割合は2021年末で256%、最悪だった戦後の218%をはるかに上回り、あのギリシャより高い。100%を超えているアメリカやイギリスも良くはないが、それでも108%~130%である。これによって金利を上げる術が無くなったため、アメリカの金融政策に対抗できないというわけだ。その上に、人口減少と社会の高齢化というダブルパンチ。いずれも需要の減少につながっていく。
生産性の向上がテーマになっているが、これは需要拡大期の話だ。効率の良いシステムを構築しても需要がなければ何の意味もない。現在は、21世紀型の環境・教育・生活・育児・介護・福祉・健康・食品・農業・園芸・防災といった分野で需要を創造する事業を政府が後押ししていくことで未来を見せるしかないのだ。未来から現在を考えないと、おそらく停滞感から抜け出せないのが日本の現状と言える。過去と現在の因果関係で物事を考えず、未来がどうあるべきかから今、何をすべきかを考える必要があるのだ。バックキャスティング思考でムーンショットを打つべき時代と言えばわかりやすいかもしれない。
今週は初めての方々と出会う機会が多かった。特に、22日(金)に紹介を受けた経営者は、謙虚な中に自信に満ち自分自身を明確にされているだけに、話が弾む。今後はより深くかかわっていくことになるのではないだろうか。
2022年04月20日
◆第15週(4月11日(月)~4月17日(日))
週明け月曜日(11日)が休刊日だったこともあり、先週末に行なわれた2人のスポーツ選手の情報入手が遅れてしまった。
一人は、世界ミドル級王座決定戦で、伝説の王者ゴロフキンと戦った村田諒太である。TKO負けをしたことで、村田の人間としての凄さを知ることとなった。もう一人は、28年振りの完全試合を達成したロッテマリーンズの佐々木朗希投手である。20歳という史上最年少であるだけでなく、27のアウトのうち19が三振だったらしい。守っている選手のプレッシャーもかなり減少しただろう。
佐々木投手のコーチが吉井であったことは、史上最高の投手になり得るための大きな意味がある。吉井コーチは、メジャーリーグで選手としても活躍し、その後、コーチ留学もしている。当時、「コーチは教えないでくれと強く言われたことに驚いた」という吉井のコメントを覚えている。メジャーでは、自ら考えることのできる選手しか成長しないため、選手から求められたときに「どうすればよいと思う」という対応をしてくれと言われたそうだ。日米のレベルの差を感じたらしい。高卒新人の18歳の松川虎生捕手と共に、史上最高のバッテリーが誕生するのではないかと愉しみが増えた週明けとなった。
6月以降に延期となっていた静岡県3ヶ所(浜松、静岡、沼津)の講演日が決定すると同時に、9月には岐阜県の協会からの依頼も入って来た。ようやくコロナ禍での仕事の進め方などの対応法が、それぞれの立場で確立しつつあるようだ。
今週も定期的な社員研修や顧客先企業のコンサルティングなどを行うと共に、資本政策と営業展開で相談を受けているスタートアップ企業の経営者を紹介するため、各社を訪問する。時代に合った新規ビジネスだが、新しいだけに見せ方が重要になる。そのための前提は、そのビジネスが社会に何をどう変えることで何を生み出すのかが明確になっているかどうかである。ベンチャービジネスの経営者は、「どうすれば利益を得られるのか」には関心があるが、「何の為という未来や社会に対する関心事」が低いのが気になっている。
4月10日から14日辺りまでを七十二候では「田鼠化為鴽(でんそけしてうずらとなる)」と表現している。麗らかな陽気に誘われて地中のモグラがウズラとなって空を飛ぶということらしい。まさにのびのびとした気分の良い季節になってきた。自宅の庭の淡い紅色と真っ白な2本のはなみずきも満開で、ベランダから愉しんでいる。
今週から古希野球リーグ戦も開幕。初戦は投手陣の乱調で逆転負けを喫してしまった。ただ、個人的には4打数2安打2得点3盗塁と一番打者の役割を果たすとともに、3つの飛球やライナーを捌き、中堅手としてもマズマズのスタートを切ることができた。ただし、左中間の飛球を処理した際に右手親指を脱臼してしまう。ケガが多くなっているだけに注意が必要だ。
春霞 遠山の目付のごとし哲
2022年04月12日
淡いピンクの染井吉野が散りはじめ、鮮やかな濃紅のハナモモが際立つようになってきた。愛犬の散歩をしていると季節の移り変わりがよく見える。
今週は、会議や研修などの多い1週間となる。4日(月)の月例ランチミーティングでは、京都老舗体感ゼミナール®の10月6~7日開催と訪問先老舗企業をほぼ確定する。社会人力養成講座も、今年は9・10月の開催とした。いずれも新型コロナウイルス感染症の影響である。
5日(火)は日本で唯一の株式会社立小学校の幹部候補者向け研修である。昨年末出版の『リーダーシップとマネジメント』の書籍から、「会社のパーパスとビジョンの理解」と「あるべき21世紀型リーダー論」を考えてもらうこととした。ライブとネットのハイブリット開催で、参加された15人の参加者のレベルは高いが、4人の外国人にとっては少し言葉の問題があったかもしれない。
リーダーシップとマネジメントには大きな違いが幾つもある。例えば、「人が動く」のがリーダーシップなのに対し、「人を動かす」のがマネジメントである。信頼で動かすのか、権限で動かすのかの差だ。日本にリーダーが不足している理由の一つでもあるだろう。
6日(水)は新しく立ち上げられた社団法人の最初の社員総会である。「参与」として協会に関わることになったため、挨拶を兼ねて「プロフェッショナルに求められること」を説明する。信頼の生み出し方である。
7日(木)は障害者雇用の新しい仕組みを構築され、女性起業家大賞を受賞されている社長との面談に3時間費やす。新しく生み出したシームレスバディ®が日本中に浸透すると、日本の社会そのものが大きく転換することだろう。また、「何の為に会社は存在するのか」をわかりやすく社会に見せている会社でもある。
コンサルティングで訪問すると、コンサルティングレポートを提出する。これは契約で決めているわけではないが、再確認の意味も兼ねて執筆している。ただし、時間を要することも事実だ。集中して執筆しても1社につき3~6時間程度はかかってしまう。今週は空いている時間を活用して数社のコンサルティングレポートを執筆することができた。
金曜日(8日)にはメジャーリーグが開幕。エンゼルスの大谷選手は何と一番投手(兼DH)。150年のメジャーの歴史でも初めてのことらしい。また、投手兼DHというルールも今年から決められたルールで、大谷ルールと名付けられているとのこと。まさに一人で世の中を変えているZ世代のリーダーでもある。こちらも負けずと土日は野球とソフトボールに全力投球する。来週からは古希野球が開幕だ(なんと右手親指を脱臼してしまった)。
2022年04月06日
週明け早々の28日は、6年7ヶ月振りに1ドル125円の円安となった。輸入価格が上昇するだけでなく、ロシアのウクライナ侵攻によって、原油、鉱物、穀物の供給が滞ることでも大きな影響が及んできそうだ。天然ガスや石油などのエネルギー資源だけでなく、小麦などは飲食業等にはかなりのダメージになる。
顧客企業には海外からの輸入商品を扱っている企業も複数存在する。物流やサプライチェーンに与える影響も大きいため、値上げ戦略なども行わざるを得ない。ただ、それぞれの顧客企業は付加価値の高い商品を取り扱っているため、少々価格を引き上げても価格と価値のバランスは見合っていると考えている。おそらく各社とも4月以降に価格改定を行い、利益計画の見直しを行うことになるだろう。ただ、困るのは、スタグフレーションになる可能性があることだ。
有事には円が買われてきたが、その理由は世界2位の経済大国で、かつ、経常収支の黒字国(今年1月から赤字)というバックボーンがあったからだ。いずれも下降している日本では、経済力も世界から低く見られだしている。今後は、国債暴落さえ有り得るのではないだろうか。
29日に、サッカーW杯カタール大会の1次リーグの組み合わせが決定した。E組に入った日本は、なんと、ドイツ、スペインの2強と同じゾーンらしい。11月23日の秋分の日に行なわれるドイツとの初戦が最大のポイントなので、予定を空けておくこととした。1勝1敗1分が最低条件だろう。
新型コロナウイルスの新規感染者数も増加に転換したらしい。第7波だが、それなりにかなり対応力がついてきたのではないかとも考えている。
今週は来客打ち合わせの他に、スタートアップ企業の資本政策に関する情報交換や投資家の紹介、さらには、取引先銀行の支店長交代による挨拶や打ち合わせなどで都内をうろつく1週間となった。
4月末から5月初めに出版予定の『京都 老舗物語』の第2章は「石田梅岩物語」である。「梅岩物語」をまとめられた講談師の神田織音さんとランチミーティング。できれば、日本中の中小企業経営者やベンチャービジネス経営者に織音節の講談で聞いていただきたいと考えている。
春の甲子園は31日に大阪桐蔭の圧勝で終わる。昨年秋の神宮大会を含め新チームで全勝らしい。高校野球で全国大会でも地方大会でも敗けないというのは、よほどの強さなのだ。単に技術が上回っているだけでは全勝はできない。
技術以外の体力・精神力、さらには野球への取り組み、考え方などがチーム全体のDNAになっているのだろう。どこが大阪桐蔭を倒すのかも、今年の話題になるのではないか。プロ野球も開幕し、来週からメジャーリーグも始まる。