2022年01月
2022年01月26日
今年の出張が月曜日(17日)から始まった。関西に行くために品川から乗車した新幹線車中からは、富士山の秀峰を拝むことができた。
江戸時代から富士詣があるように、日本人にとって富士山は象徴でもある。そのため、今年のように雪で覆われている富士山の全体像が見えるだけで元気が倍増する。
仕事をやりだしてから東海道新幹線だけでも5,000回以上乗車しているので、新幹線車中からの富士山を3,000回程度は拝んできたはずである。今回のように、出張初日に白峰の富士山と出会えると今日一日だけでなく今年一年が愉しみになってくる。
実は、27年前の今日も朝から愛知県への出張だった。朝のニュースで、関西で地震があったという情報を得ていたが、東京駅(当時は新幹線に品川駅はない)で足止めを食らう。東京
― 名古屋間はまもなく開通したので、そのまま三河安城にある再建先の工作機械メーカーに向かい、訪問先の大会議室でTVを見て、とんでもない大震災であったことを知ったのだ。
今年も、出張前々日(1月15日)に南太平洋のトンガ諸島沖近くでの海底火山の噴火があり、「空振」による津波が日本にも影響を与えている。なんと千年ごとに大噴火が起こっているエリアとのことで、噴煙は半径260㎞、高さは20㎞にもなったらしい。富士山も1707年の宝永年間の爆発依頼鳴りを潜めているだけに不気味でもある。
週末の22日には日向灘を震源とする地震が発生。大分市などや宮崎県の延岡市などで震度5強を観測している。まさに今年は、こうした自然との関係性を強く意識をしなくてはならない年になるのだろう。
17日の夕刊に、漫画家の水島新司氏が82歳で亡くなっていたというニュースが発表されていた。“ドカベン”と“あぶさん”の野球漫画でお世話になり、“あぶさん”は全巻揃えていたほどの大ファンだ。
25歳前後の頃に東京・高円寺で草野球チームを作っていたが、チーム名は「あぶさん」。また、東京税理士会の野球大会が開催されていた神宮外苑の軟式野球場では、早朝ゲームをされていた水島さんの草野球チームともよく出会っていただけに、全く残念である。
木曜日(20日)の大阪での1日講演会を終えて、18時頃の新大阪発の「のぞみ号」で4日ぶりに東京に戻る。新大阪駅で購入した駅弁とビールで一人で乾杯をして、身体を休ませることとした。さすがにかなり疲れている気がする。
一日を愉しんだのか 寒夕焼
哲
2022年01月19日
今週は3連休明けとなり実質4日間だ。4日のうち1日は千客万来のうえ、外出の3日間は講演や研修講師のため、慌ただしい1週間となる。
火曜日(11日)に来社されたA社社長は自身の引退と共に、M&Aによる事業継承が最も自社や社員の未来につながる引継ぎになるとの判断である。
そのため、社長引退後の人生設計をどのように考えていくかについて、幾つかの考え方の方向性をサゼッションすることになった。
A社長とは30年近いお付き合いがある。企業は継続こそが宿命であり、その基盤は「何の為に」という明確な社会性のある目的が必要であること、自社の適正規模を社長が常に意識していること、この2点を設立間もない時に塩見から聞き、30年間常にこの2点を意識して経営をしてきたとのことだ。まさに感無量である。コンサルという仕事のやりがいを実感した思いでもある。
水曜(12日)、木曜(13日)はお客様企業での社員研修だ。
前者は二代目社長が10年後の自社をどう表現していくかをスタッフ全員で考えてもらいたいという思いから、「なぜ自社の歴史と未来をスタッフ全員に見せることが重要なのか」を講義することとした。
また、後者は「新しい分野の市場開拓としてどのようなビジネスモデルを組み立てていくか」を、様々な視点から従来に無い発想の取り込み方について解説した。ビジネスモデルを考えるためのマトリクスを基盤にしてブルーオーシャン戦略の考え方などを取り入れたディスカッションなどを行うこととしたのだ。
金曜(14日)は20年来、毎年依頼を受けている公益社団法人主催の講演会である。講演会というより朝10時から夕方5時までみっちりの一日講義だ。
コロナ対策を万全にして、通常300人ほどの会場を100人以内に制限して行われた。午後、受講者の一人からチョコレートの差し入れを頂いた。直接受け取れていないため理由は不明だったが、受け取った主催者からの伝言は、「愉しくて為になる講義で大変豊かな時間をいただいたことのお礼」とのことだった。バレンタイン前に嬉しいことである。1日6時間立って話をしているのはさすがに疲れる年齢になった。控室で担当者らと頂くこととした。感謝感激である。
面白く 生きているなぁ 梅一輪 哲
2022年01月12日
今年は1月5日の水曜日が仕事始めだ。ただ、講演や出張などがすぐに始まるため、その準備で年末は12月30日まで、正月明けは4日から自宅で仕事を始めている。
今年もダンパートナーズ全員で「一文字漢字」の発表から始まった。前年からは新型コロナウイルス感染症対策も兼ねて、なぜこの一文字を選んだのかという5分間スピーチはなくし、オフィスの壁に貼り出している。
この一文字漢字は、子どもたちに漢字に興味を持たせる趣旨から30年前から家族で始めだした。その5年後からダンパートナーズでも今年1年の目標設定を一文字に落とし込み、第三者に有言することで意識を高めてもらうという観点から始めたイベントである。関係先や金融機関でも採用されている。
今年の塩見の漢字は「生」。昨年99歳で逝去された瀬戸内寂聴さんが晩年によく話されたり執筆されていた「生き直し」という言葉が頭に残っていたことが大きな理由かもしれない。
年末に、過去にどんな漢字を発表していたのかを調べていると、「12年前」にも「生」を発表していたことがわかった。
12年前は還暦を迎え、元に戻る、60年で再び生まれた干支に還る本卦帰り(還り)ということから新しい人生を構築する初年度という意味から選んでいたようだ。30年間で同じ一文字は他になく、今年は初めて二度目の採用となる「生」をどう活用していくかが大きなテーマになりそうである。
同時に、苦の先頭(四苦八苦の四苦とは、生・老・病・死である)にある「生」がなぜ苦の代表なのか。人生の最初から「苦」がスタートしていることは、自分の力だけでは変えられない条件である「運命」と自分の力で切り開いていくべき道である「使命」をしっかり意識せよということなのだろう。
「天がその人に重要な仕事を与える場合には、まず精神的にも肉体的にも苦しみを与えて何事も思うようにならないような試練を与える」という孟子の教えがある。思うようにならないのが人生だと割り切れることが苦からの脱却であり、結局は利他主義につながると考えられているのだろう。
今年は早速「苦」と出会った。1月6日の顧客企業へ訪問の途中で手袋の左手を落としてしまったのだ。探しながら帰ったがみつからなかった。6日は、南方沖を東へ進む低気圧などの影響で、東京都心で積雪10センチを観測した日だったので買ったばかりの新しい手袋だったが、今年も『落とし物の名人』は健在である。
失せ物は手袋 可可大笑す 哲
講演会、講習会、研修会などの講演・講義後に、受講者と名刺交換などをすることは日常になっています。10年ほど前からは、多くの受講者は講師の名前をチェックして、ホームページ(HP)などで調べてから参加されています。
ダンパートナーズのHPでは、あまり個人に関する情報は提供していませんでした。ただ、塩見の日常の考え方や仕事の仕方などを様々な媒体で伝えてほしいという意見は2000年頃から多くの方から頂いていました。
そこで、2016年からダンコンサルティングで「塩見流仕事術」という書籍(小冊子)を1,000部ほど発行(現在は第7巻まで発行)して、関係者や相談者に贈呈してきました。ただ、特定少数ということもあり、もう少し広い媒体で出すべきではないかとのお薦めもあり、今年(2022年)よりダンパートナーズのHPの中に「哲ちゃんの週刊業務日誌」というタイトルで定期的(週刊)にまとめることにしました。
「哲ちゃん(てっちゃん)」とは、塩見が子どもの頃からほとんどの友人に呼ばれていた愛称です。
実は、1989年から既に33年に渡って業務日誌を書き続けています。
毎日の業務を簡単な文章でポイントだけを整理することを一日の終わりの行事にしてきました。もちろん、毎日ではなく、酔っぱらった日などは翌日に、さらに忙しい日が続くと2~3日まとめてということもあります。ただ、33年間に空白は一日もなく、やり続けてきたことで人生における毎日の日々が「消費ではなく蓄積」され、「資産や投資」になってきた気がしています。
そこで今回、この業務日誌から1週間ごとにポイントだけをピックアップして、ほぼリアルタイムの塩見流仕事術を伝える形式を考えました。気軽に読んでいただき、その中から何らかのヒントが一つ提供できれば嬉しく思います。
ご笑読ください。
塩見 哲