2022年09月21日
◆第36週(9月5日(月)~9月11日(日))
東京五輪・パラリンピックの大きな後遺症となっている汚職・賄賂事件に、出版社のKADOKAWAも加わったという報道がされていた。KADOKAWAからは、3ヶ月に一度、数千円の印税が振り込まれている。10年前に『小さな会社の資金調達の方法』を発行した中経出版が、その後、KADOKAWAに買収されたことによる電子出版としての印税である。KADOKAWAは出版社の範疇にとどまらず、エンターテイメント企業として東証プライムの上場会社でもあるだけに、今後の対応法を間違えると株価下落だけでなく株主代表訴訟などの可能性も出てくるのではないか。それにしても、7,600万円の賄賂という報道には驚かされる。
今週は、定期的な相談に乗っている顧問先企業を数社訪問。それぞれの企業の相談内容は全く異なっているが、いずれも経営者や経営幹部の方々との打ち合わせである。なかには新型コロナウイルス感染症対策として無利子、無保証人、当面返済無しという国の政策による資金を調達していた企業もあるが、10~12月頃から返済が始まり出すため、当面のキャッシュフローを意識せざるを得ない企業もある。
さらに、円相場が一気に145円に近付いてきた。短期的には日米の金利差による影響は大きいが、実態は日米の経済力格差が明確になりだしてきたからと考えるべきだろう。特に長期的に見れば、米国の人口は2050年には4億人、2100年には5億台半ばと言われているが、日本は2050年には9,000万人前後、2100年には移民を受け入れなければ5,000万人に近づいていく。学生時代に日米の人口比は1:2だったが、2050年は1:4、2100年は1:5になるのだ。国土面積の1:25は変わらないが、GDPの大半を占める個人消費(どの国も60~70%)は人口によって大きな影響を受けることを理解しておく必要がある。ただ米国は、2050年には白人人口が50%を切り、白人社会が崩壊してまさに多民族国家になる。コロナ援助が無くなり、返済が始まり、円安が続くとなると、日本中の収益不足の中堅・中小企業の倒産・破産・清算・整理が増えてくることも考えておかなければならないだろう。
8日(木)は来客ラッシュ。1組目は2年前から不動産相続の相談に乗っている複数ビルを所有されている不動産オーナーで、後継者の問題もあり、全てのビルを売却されることとなった。そのため、その後の資金運用や買換え資産対策、さらには、人生百年時代における考え方などの相談にのる。
2組目は、北軽の企業経営者と都内のリフォームデザイナー。先日訪問した森資源の活性化に関する今後のビジネスの組み立て方についての相談である。簡単に言うと、ビジネスモデルを構築することだ。ビジネスモデルとは「継続して顧客に満足を、企業に利益を」提供するための設計図のことだが、これが意外に難しいのだ。「誰に」「何を」「どのように」を決めるまでには時間がかかりそうである。
4組目は顧客企業の経営者とその企業をサポートしている企業経営者ら4人が来社。その後、近くの洋風居酒屋に場所を移して時代の捉え方や経営の在り方などに関する相談を持ち掛けられる。久しぶりに軽い飲み会となった。
9日(金)も顧客先から夕方にオフィスに戻り、来社された2人の経営者と小さなカウンター割烹店での食事会。11月に講演会の講師を依頼されているためその打ち合わせの予定だったが、今後の社会人力養成講座(考える講座)についてのディスカッションとなる。お二人とも経営者としての姿勢が素晴らしい人たちで、かつ、問題意識が高いため、ディスカッションそのものが楽しいことが嬉しい。
9月10日(土)の夜は、少し早い中秋の名月。甘味処で団子を買うと、ススキの束がサービスされてきたこともあり、久しぶりに月を見ながら夜食となる。幸いに東京は全く遮るもののない夜空に、十六夜の月が室内にまで入り込んでくる。十五夜満月より少し欠けているが、穏やかな夜である。
